月別アーカイブ: 2015年1月

世界平和

『粕谷幸司の自由なコラム』08

 例えば世界平和が実現したとしても、すべてがすべての人の思い通りになるわけじゃない。
 例えば夢が叶わないこと、例えば人が死んでいくこと。

 僕らが生まれた昭和という時代には、まだ「戦後」のような言葉を意識しないで使っているような風潮があった気がする。
 あのころには、まだ「戦争を知っている人たち」が多く生きていて、正月や盆に顔を合わせると、なにかと面倒な話をたくさん聞かせてくれた。
 日本が終戦してから、今年で70年。1945年に10歳だった方も、もう80歳。
 彼らは今この時代を、どのように眺めているのだろうか。
 相変わらず世界のどこかでは戦争やテロがおこなわれていて、ふと国内に目をやっても、決して命を大切に生きている人ばかりではなく、犯罪があり、憎しみや苦しみも、穏やかだからこそ生まれる狂気のようなものも間違いなく在って。
 今この時代は、70年間でどのように積み上げられてきたのだろうか。
 彼らが望んだ未来は、本当にここに実現しているのだろうか。

 高度経済成長期と呼ばれたその時代に、僕らは何を求めていたのだろうか。
 復活、だったかも知れない。誕生、だったかも知れない。
 時代は“明日へ”という不可逆な時間の積み重ねで刻まれていく。
 ボロボロになった者が夢見た「明日」を、彼らが積み重ねた未来を、今、僕たちが生きている。

 その時代に求めるモノとは、多分その世界を生きている人々によって様々なんだ。
 「生きていたい」と願う時代には、生きられないような現実があった。
 「変わりたい」と願う時代には、変わることの出来ない現実があった。
 今、僕たちの願いが息づくこの時代には、どんな現実があるんだろう。

 制度だとかうんぬんは、ひとまず置いておいて。この世界(現代日本)では、そう簡単には死なない。
 本当に死にそうな時には、何かに頼って生き延びることが許されている。
 その規模やなんかは置いておいて、この世界ではどんな夢でも、叶えるために走ることが出来る。
 誰が見たって叶わない夢だとしても、それを追い求めるのを止めることもない。

 …今、この「小さな世界」には、気付けば「小さな平和」が存在している。
 そう、僕らは実は、平和の中に生きている。
 そんなに簡単に人を殺すことは無いし、そんなに簡単に人に殺されてはならない。
 ここにある平和を、時代の中で積み上げられた世界を、また好きになってみても、良いのかも。

 世界が少しでも平和であるのなら、人が求める「衝動」とは一体、どこにあるだろうか。
 頭がおかしいクソみたいな人間は、その身を自ら悪に染め、己が悪として生きることを選ぶ。
 そんな事件を伝えるニュースばかりが溢れていて、今日も僕は、すっかり病んでいる。

 僕は、本当の世界平和が見たい。
 僕が、エンターテイメントでつくりだす世界平和を見てみたい。

 芽生える心の悪や狂気は、テレビドラマや映画で消化する「フィクション」であればいい。
 人が幸せで、まさに個人の平和を手にして心豊かに暮らしていける世界のひとつに、エンターテイメントという要素が大いに必要なんじゃないかと思う。
 もっと刺激的なエンターテイメントを、もっとありえないフィクションを、そして時々、忘れられない過去という現実を。
 僕らはひとつひとつ、楽しんで、平和を手にして、生きていければ良いんじゃないかな。

 僕の夢が、叶うかどうかは知ったことじゃない。
 ただ僕は、この世界に夢を抱いて、生きている。

 …今回は異常に重たいな(笑)。
 次回こそは、シモネタにでもしよう。
 誰も傷つかないような、しょーもないエンターテイメントを。

でっち羊羮

『ひらいまさゆきの「あんこに想いを廻らせる。」』08

ども、あんこ大好き!平居正行です。

明けましておめでとうございます。
年も新しくなりまして、2015年、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、年末年始、おいらはというと実家のある滋賀に帰省しておりましたよ。
雪が積もったんで雪かきしたり、甥っ子&姪っ子が遊びに来てその相手をしたり、にぎやかだったけれどずいぶんゆったりとした時間を過ごさせてもらいました。
この時期に帰省すると、母親が、あずきをいちから煮てぜんざいをつくってくれるのですが、運悪く、ちょうど家の圧力鍋が壊れてしまってつくれない、と言い渡されてしまい、正月中は泣く泣く焼いた餅とみかんを食べまくりました。(笑)
そんな今回は、馴染みある地元・滋賀のあんこものに想いを廻らせてみたいと思います。

ぜんざいの他にも、おいらが帰省した際、必ずいただくあんこものがあるのです。
その名は、「でっち羊羮(ようかん)」。
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ようかんはようかんでも、普通のようかんとは見た目も味もだいぶ違いますぜ。
でっち羊羹とは、竹の皮で包まれた、蒸し羊羹のことなのです。
店によっては、中に栗が入っているものもありますよ。

その昔、親元を離れて商家に奉公に行っている丁稚(でっち)小僧さんが、里帰りのお土産に持って帰っていたため、この名前が付いたのが由来の近江商人ゆかりの食べ物なんだとか。
ちなみに、京都や福井にもでっち羊羮があるそうなのですが(※名称が同じなだけで地域によっては違うようかんを指すこともあるとのことです。)、滋賀でも、近江八幡や日野辺りにでっち羊羮が有名な和菓子屋さんがあったりします。
おいらが帰省したときに、叔母が、正行はあんこが好きだから、ってんで毎回でっち羊羮を持ってきてくれるんですよ。とってもありがたいのです。(笑)
なので、帰省から戻ったときには自分で味わったり、お土産としておすそわけたりしていますよ。

さてさて、東京に戻って来て、早速、いっただきま~す!
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竹の皮でくるまれたでっち羊羮は、ほんのり竹の香りがします。普通のようかんだと、多少みずみずしくてかっちりした食感だったりもしますが、でっち羊羮は全く水っぽくなく、ほどよいもちもちとした食感。これがたまらなく好きなのです!
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全体的につぶあん。そして食べやすい大きさに切り分けます。
ちょっとネットで調べたら「竹の皮をはがさずそのまま切ってから」はがして食べる、というのが本来の食べ方らしいのですが(調べてみて初めて知ったので驚きました!)、おいらは最初に竹の皮をまるごとはがして、ようかんだけを切って食べるという食べ方が好きです。
以前は、そのまままるごとかぶりつくというワイルドな食べ方をやってましたが(笑)よいこはマネしちゃダメだよ~!
そしてこのでっち羊羮、あんこものの和菓子には珍しく、多少日持ちがするのです。
確かに水分少ないってのもあるからなんだろうなぁ。
一説によると、竹の皮には抗菌作用があるから、日持ちするのはそのためなんだとか。
さすが、由来のとおり丁稚奉公の小僧さんも里帰りのお供にしただけのことはあるんですねぇ。

はてさて、あんこコラムの第八回、今回おいらが想いを廻らせたあんこは「滋賀の名物 でっち羊羮」でした。

美味しいあんこは美味しいうちに、どうぞ本日中にお召し上がり下さい。
おしまい。

コミケは一日にして成らず

中澤まさとも『人生のパクが早上がりでもさ!』08

2015年ですね。いや、もっと細かいことを言えば1月ですね。そして、僕がいて皆さんがお好きなアニメ業界は番組改編期ですね。
と、ここから先はいつも通りというか、今期も何もなくてつらいけど頑張ります的な形で締めるお話を1000文字くらい書いたところで「いけない、これはかなり愚痴みたいになる!」と思い返して書き直している次第です。
せっかくなので最近あったお仕事の話をしましょう。
2014年師走の末と言えば、オタク/マニア/フリークの祭典“コミックマーケット”が開催されましたね。
僕は一日目と二日目にお仕事で企業ブースと呼ばれる国際展示場の西側のスペースに来訪しました。訪れた時間が時間でしたので人の波はだいぶ落ち着いていましたが、午前から正午にかけての戦場っぷりは聞き及んでおりますので、一日目のサイン会・二日目のポストカードお渡し会に参加する整理券を受け取るために開幕から並んだ方もいらっしゃることでしょう。ご足労いただき本当にありがとうございます。
一日目も二日目も企業によって進行に違いがありましたが、共通していたことは控室にあたるところがイベントスタッフさん共有の休憩室だったこと。
入室したところ、企業ブースの方やそこの頒布を手伝うコスプレイヤーの方、誘導の方、監視の方など、とにかく各所で愛する世界のためにお仕事をなさっている方々が寄り集まって休憩したりご飯を食べたりしていました。
普通の役者さんがどう思うかは分かりませんが、僕は今回は台本のある仕事ではなく強いコンセントレーションが必要なかったのもありますし、きらいな空間ではなかったのでそこで待機していました。
どんな仕事をしていても、自分以外の仕事をしている人がいて、それが一つのイベントを積み上げて作っているのだなあ、と思うと控室も楽しい物でしたよ。
実際、一日目は控室に居たら二日目の担当の方とも会えましたし。
さて、肝心のイベントの方ですが、両日とも初めての内容のお仕事でしたので実は結構緊張していました。とはいえ、一度は仕事で体験したい空間でしたので喜びの方が大きかったわけですが。
それにしても、サイン会って…難しかったです。サインしながらお話するのって、脳の使い方の問題ですよね、手と口を別個にして動かす的な。本当は1分強お話しする時間あったのにあっさりしちゃったり…僕も存外に話題探し下手ですからVITA版の『ドラマダリコード』買いましたー?とか、どこからいらしたんですかー?とか、DVD/Blu-rayBOX二つ目ですかホンットありがとうございます!とか、クリアくんのお話とか…。

…あれ、以外と話題あるな(笑)

でも、最終的にはそれなりに時間が余ってしまったので、トークタイムに移行。アドリブトーク。てんやわんや。最後のお別れの挨拶だけは気を付けてほしいことや感謝したいことがはっきりしていたのですらすら出てきましたね。
他の人はどんなふうにやっているのだろうなあ。
ひとまず書きながらお話しする練習すればいいのかな? それとも、ひたすら書く練習か…。もう、アレです、手品のようなスピードでサインを書く感じ。ヒュンっパ!みたいな。なんだそりゃ。
こういうことも日々鍛錬なのでしょうね。

今年も相変わらず探り探りで進んでいくのだろうな、と思います。

コミックマーケットでのお仕事、楽しかったです。
本当に皆さんの情熱と愛情と欲望で自分のいる世界は成り立っているのだなと。
自分はそういった世界を送り手・受け手、それぞれの皆さんから頂いているのだから丁寧に作品世界に向き合わないといけないなと、いつも思う訳です。