月別アーカイブ: 2015年11月

10年の夢が叶わなくても

『粕谷幸司の自由なコラム』18

 僕には夢があった。
 幼稚園の頃。親に連れて行かれた体操教室が楽しくて、大きな声で「ぼく、オリンピック選手になる!」と宣言していたらしい。でも、アッという間に飽きちゃって、すぐやめちゃった。
 小学校に入って、『ズッコケ三人組』という児童小説を読んで、アレコレなりたい職業を妄想しながら「新聞記者になりたい」と言い始めたりした。いろんな世界を見て、それを人に伝えるのが楽しそうだった。
 中学校の頃、本気で「物書きになりたい」と思った。特にテレビドラマや映画が好きで、三谷幸喜や君塚良一のような“面白さ”に魅了されていたから、シナリオライターになりたいと思って、日芸に行くことを目標にした。
 大学卒業の頃。いわゆる就活で散々グチャグチャに悩みながら、芸能事務所やテレビ・ラジオ局、メディア制作会社などで働く夢に挑んで、玉砕していた。仕事にすること、それで“食っていく”ことの難しさを痛感していった。

 Project One-Sizeを立ち上げながら、何も見えない未来へ、否応なく飛び出していった。それが…、10年前。

 新しい夢は、ふと思いついた。「タレントになりたい」。
 自分が持っていたアルビノというモノを、存分に利用してやりたい。そしてもっと、面白い人生を切り拓きたい。ふと思い立ってからしばらくは、本当に楽しかった。
 「将来はタレントになりたいんです」と言って入社したIT系の会社に勤めながら、しゃべりの勉強をしにスクールにも通った。
 その頃から、ブログをかなり“意識して”書き始めた。日記ではなく、不特定多数の読み手に届けるブログの書き方、のようなことを必死に考えたりしていた。
 ふとしたタイミングで会社を辞めてから、人前で話す仕事を少ししたりした。NPO法人がらみの講演会のようなものだったけれど、僕はいつも“少しでも笑わせよう”と意識していた。
 しばらくのらりくらり無職で、酷く無様な生活もしていたけれど、2年半前。いてもたってもいられず「たくさん稼げなくてもいいから、やっていて面白い仕事(アルバイト)がしたい」と志願して、今のルーナファクトリーのスタッフになった。ライブアイドル・タレントのプロデューサー、マネージャーをする日々は、苦しいこともあるけれど、やっぱり面白いな、と思う。

 気付けば、夢はどれひとつ、思い描いたように叶ってはいないのだけれど。

 新聞記者は、ブロガーのようになって今も僕の中に息づいている。
 物書きもシナリオライターも、ネットラジオで、そしてたまに舞台の脚本を書いたりして、ずーっと続いていて。
 しゃべり手も、そのネットラジオくらいだけれど、ずーっと“よくしゃべる人”であり続けるだろうから、きっと終わることはなく。
 規模はどうあれ、僕は今、タレントたちをマネージメントしながらステージをつくる仕事をしているし。
 オリンピックとはいかないまでも、世界に向けて“アルビノの人間”で、攻め続けている。

 大きな夢を、思い描いたとおりに掴めてはいないけれど。
 そのどれもが僕の中に生きていて。
 かたちを変えて、今の僕をつくってる。

 10月24日のイベントを終えて。それも振り返れば、思い描いた夢とは少し違った現実になったなあ、なんて、いま落ち着いて考える。
 いくつも弾けた夢の泡は、消えてなくなってしまうように思えるけれど。こうしてゆっくりと眠りについて、また新しい1日がはじまると、その記憶が、過去が、これまでのすべてが、この体に、目の前に広がる世界に、染み渡っていくような気がして。

 ここまでしてきたことを、明日からも大切に胸に抱えたまま、
 思い描いたのとは少し違う未来も、楽しんでいこう。

 夢が、思い描いたとおりに叶わなくても。
 この先の世界は、果てしなく続いている。

休息と休日は違う。

中澤まさとも『人生のパクが早上がりでもさ!』18

最近気づいたんですけど、僕にとって一番適したストレス発散って観劇か映画鑑賞みたいなんです。
「ひとところで腰を据えて、スマホの電源もOFFにして他に気をそらさず作品を観ること」
これがとても大きい。観たい作品だったりするとなおの事(ちなみに作品の善し悪しは関係ない様だ)。これは自宅でテレビを見るのとはやっぱり違うんです。いえ、まあ、うちのテレビが小さめなので臨場感もへったくれもないというところもありますが……(笑)
11月に入って一気に三本くらい映画を観たのですが、どの作品もよかったこともあり、かーなーりすっきりしました。
それと、感動の補充、といえば良いのでしょうか。人間ってやっぱり感情値?精神力?マジックポイント?そういうのを消費しながら仕事をしているのだな、と思いまして。
ずっと仕事を続けていると、なににも感情が湧かなくなる時ってありません? いや、こんなのはないに越したことないのですけど、役者の仕事というのも、仕事をできる喜びや楽しみとは別に消費しているものがあるのだなあと。
ですから観ている作品の登場人物の情動は、僕の心の器を満たしてくれます。
共感・感動・作品自体への敬意、元気になれました。
役者としてはもう一つ違う言い方をすると“インプット”とか“引き出しを増やす”という表現が適切でしょうか。アニメでも実写でも出演者一人一人の声の響かせ方、広げ方、ぶつけ方。学ぶこと得られるものはいつも多いです。
皆さんは休日にちゃんと休息してますか?
そう思うと、僕はこれまであまり巧くできていませんでした。
これに気づけたのは、有難いことに10月のスケジュールがなかなか過密だったことにあると思います。いや、収録日数だけの話でしたらもっともっとお仕事したいくらいなのですが、僕らの仕事は本番当日だけ頑張ればいいというものでは当然ないわけで、俗にいう“台本チェック”というものを事前にしているわけです。
収録までにどれほど自分の演じる作品・コンセプト・演出を解して役を掘り下げていけるかが当たり前ですけど重要なのです。台本を読んで理解して来てるかそうじゃないかなんて、演出さんやディレクターさんにはすぐばれるものだと思っています。僕なんか特にちゃんと読まないとまともに芝居なんてできやしないと自分に戒めながら挑んでいます。
そんなわけで収録のない日(=休日)も台本と向かい合うことが多かったひと月でした。
おかげもありまして、10月に入ってからの映画をけっこうかなり見逃してまして……なんだかちょっと荒んでいた気がします。
昔はゲームでも発散しているつもりでいましたが、プレイしているゲームが集中や緊張を要されることが多いので、結構神経すり減らすわけで……。楽しめよ~って思うんですけどね。学生時代はストレス発散にもなっていましたけどね。RPG、アクションゲーム、ホラーゲーム、楽しくやってたなあ。
自分が出演している作品にも、皆さんの休息になってるものを増やしていけたらいいな。そうなるようにきっちり作っていかないと。
ひとまずそういいながらもきっちり休息を得ていかないと。月に二本は何か観ないとと思っています。
そういえば何を観たかって?
『心が叫びたがってるんだ』『バクマン』あと『GO!プリンセスプリキュア』です。
今度は『リトルプリンス』と『グラスホッパー』観たいですね。
今回も読んでいただき感謝です。また次回お会いしましょう~。